忘れられない一夜となりました。「ブラジル北東部の民衆版画展」@ツバメスタジオのオープニングでの音楽会。ヤマベボッサの詩絵さんが遥かブラジル北東部から一枚一枚愛情をもって日本へ連れて帰ってきた作品たちがギャラリーいっぱいに飾られたさまは圧巻でした。それぞれに込められた物語や、メッセージ、祈りを肌で感じながら、歌いました。自然の厳しさや人間の営み、重いテーマでさえも、素朴なあたたかみに包まれているのです。
“Asa Branca(白い翼)”というブラジル北東部のみならずブラジル全土で愛されている歌があります。セルタォンという乾燥した大地を干ばつのために離れなければならない苦しみ、そこからの希望、という歌詞に寄り添えるような演奏にしよう、とアレンジを考えていたときに新美さんと話しました。これが出発点となってこの日のセットリストを組み立てていき、自分がこれまで辿ってきた道を振り返りつつ、これからの道も見据えることが出来た気がして、いい機会を与えてもらいました。
詩絵さんはお互い10代の頃からの大切な友人。彼女の「好きの力」と芯の強さはずっと私の憧れです。
ツバメスタジオさんの古いウーリッツァーのピアノはあたたかい音でした。